スポーツドクターが導き出した本当に良い姿勢とは?
姿勢とは、私たちが次の行動にスムーズに移行するための準備状態と言えます。例えば、椅子に座って作業をしているとき、背筋を伸ばしている状態と、背中を丸めている状態では、どちらが素早く立ち上がり行動を開始できるでしょうか?良い姿勢は、体に負担をかけずに次の動きへの準備が整った状態を指します。
このように、姿勢の重要性を考えるためには、まずその基本的な定義を確認し、さらにその本質を掘り下げていく必要があります。では、姿勢について詳しく見ていきましょう。
姿勢とは?
大辞林によると、「姿勢」とは次のように定義されています。
「体の構え、物事に対する構え、態度」
ここは美容クリニックなので、「姿勢=体の構え」としてお話を進めます。
姿勢は、人が地球上で生活する上で、常に重力の影響を受けています。立っているときも座っているときも、人体は重力に対応してバランスを保っています。
重力とは何か?
重力は私たちの日常生活に常に影響を与えていますが、その正体をご存じでしょうか?国土地理院の説明によれば、重力は次のように定義されています。
「地球上の物体には、地球の自転による遠心力も働いています。この地球の引力と遠心力の合力が重力の正体です。」
つまり、地球の引力で物体が引かれる力と、自転による遠心力で離れる力。この2つの相反する力の合力が重力ということです。
重力に対応するには、「押される方向にも、引かれる方向にも、どちらにも適応できる構え」が求められます。これが、姿勢における重要な条件のひとつとなるのです。
良い姿勢の本質とは?
姿勢をさらに深く理解するためには、人間の身体の仕組み(機能解剖学)や、進化の過程に目を向ける必要があります。
人間は、四足歩行から二足歩行へと進化し、手が自由になったことで多様な機能を発達させました。
一方で、次のような特徴も持っています。
- 自立するまでの時間が長い
- 走る能力が高くない
- 身体のみで戦う能力が低い
このため、人間は危険を早く察知し、安全な場所へ迅速に移動する能力が重要でした。
「すぐに歩き、すぐに走り、すぐに逃げられる構え」が、本能的に優れた姿勢だと言えます。
日常生活での姿勢を考える
例えば、あなたがデスクで作業をしているときの姿勢を想像してください。
- 椅子の高さを適切に調整し、背筋を伸ばして作業をしている場合
- 椅子を低くし、背中を丸めたまま作業をしている場合
もし火災報知器が鳴ったとしたら、どちらが素早く行動を開始できるでしょうか?
次の行動にスムーズに移行できる準備ができている状態、これこそが良い姿勢の条件だと考えます。
良い姿勢とスポーツの共通点
一見すると、「良い姿勢を作ること」と「スポーツ」は無関係に思えるかもしれません。しかし、スポーツにおける良い姿勢と、一般の方々が目指すべき良い姿勢は共通しています。
颯爽(=人の姿・態度・行動がきりっとしていて気持ちいいさま:大辞林)とした姿勢は、次の行動がスムーズに行える印象を与えます。
私たちと一緒に、「颯爽とした姿勢」を目指していきましょう。次の行動にすぐ移れる、きりっとした姿勢を作り上げていくお手伝いをさせていただきます。
これがRay&RARで提案する「良い姿勢」の考え方です。
MD Sports Support 代表 村上成道